労働保険:単独有期事業 保険関係成立届について

保険関係成立届(有期)とは

建設の事業では、

請負金額が 1億8000万円(税抜)以上

かつ 

概算保険料が 160万円以上

の事業については、単独有期事業として、工事が始まった時点で、保険関係の成立を行い、概算保険料の納付を行います。

※上記を満たさない事業については、一括有期事業として、労働保険の年度更新の際に、申告・保険料を納付します。

※その他、一定の条件を満たす立木の伐採の事業も単独有期事業として保険関係成立を行います。

1億8000万円以上の元請工事を請け負ったら、労働保険の成立(単独有期)の手続きを忘れずに行いましょう。

具体的な手続きの流れ

①工事開始時

保険関係成立届(有期)」と「労働保険概算保険料申告書」を工事現場を管轄する労働基準監督署、労働局へ提出します。

 

■「保険関係成立届(有期)

≪提出先≫

工事現場を管轄する労働基準監督署

≪提出期限≫

事業を開始した日の翌日から起算して10日以内

 

■「労働保険概算保険料申告書

≪提出先≫

工事現場を管轄する労働局

≪提出期限≫

事業を開始した日の翌日から起算して20日以内

 

②工期の変更

工事開始時に提出した「保険関係成立届」の事業終了予定日(契約終了日)と、実際の工事の終期が相違した場合(工事が早まったり、遅延した場合)

「労働保険名称、所在地等変更届」を労働基準監督署へ提出します。

 

■「労働保険名称、所在地等変更届

≪提出先≫

工事現場を管轄する労働基準監督署

≪提出期限≫

変更を生じた日の翌日から起算して10日以内

 

③工事の終了

工事が終了したら、「労働保険確定保険料申告書」を提出して保険料を清算します。

既に納付した概算保険料の金額が、確定保険料の金額が少ない場合は、その差額を同時に納付します。

既に納付した概算保険料の金額が、確定保険料の金額より多い場合は、「労働保険料還付請求書」を提出し、差額の還付請求を行います。

 

■「労働保険確定保険料申告書

≪提出先≫

工事現場を管轄する労働基準監督署

≪提出期限≫

工事終了日の翌日から50日以内

 

④改定確定保険料の精算(メリット制適用後の保険料)

確定保険料の申告後、労災保険のメリット制に基づき、メリット制が適用となった場合には、管轄の労働局歳入徴収官から、事業主の皆様あてに通知が届きます。

還付が発生した場合は、「労働保険料還付請求書」を管轄の労働局に提出し、還付請求します。

メリット制については、次章でご説明します。

 

■「労働保険料還付請求書」

≪提出先≫

工事現場を管轄する労働基準監督署または労働局

≪提出期限≫

通知を受けた日の翌日から10日以内(時効2年)

 

労災保険のメリット制について

労災保険では、災害のリスクに応じて事業の種類ごとに労災保険料率が定められていますが、作業工程、機械設備、作業環境、事業主の災害防止努力の違いにより、個々の事業場の災害率には差が生じます。

そこで、労災保険制度では、事業主の保険料負担の公正性の確保と労働災害防止努力の一層の促進を目的として、その事業場の労働災害の多寡に応じて一定の範囲内で労災保険率または労災保険料額を増減させる制度(メリット制)を設けています。

確定保険料の精算後、その事業での保険給付と保険料を基に算定したメリット収支率に応じて、確定保険料が増減されます。この増減した確定保険料を「改定確定保険料」といい、増減に応じて追加徴収または還付を行います。

継続事業の場合は、年度更新の申告書に同封され、年度更新にて精算を行いますが、有期事業の場合は、事業終了後、労働局にてメリット制の収支率が算定された後、事業主あてに通知書が届きますので、通知書の通りの金額を清算します。

 

 

クルーズ社会保険労務士法人・行政書士事務所では、「保険関係成立届」をはじめとした各種届出の手続きや申請の代行などを承っております。労務の専門知識を持ったスタッフが、しっかりとお話しを伺った上で迅速にご対応致しますので、どんな時でも安心してお任せください。

また、届け出等の手続きや給与計算、助成金の申請代行のほか、顧問社労士のご相談も随時受け付けております。クルーズグループの代表でもある社会保険労務士が、社労士と経営者という2つの視点からサポートさせていただきますので、日々労務に関してお悩みの事業主様は、頼りになるパートナーとして長いお付き合いもご検討いただけますと幸いです。

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(監修:社会保険労務士・尾形達也)