雇用保険被保険者資格喪失届について
雇用保険被保険者資格喪失届とは
「雇用保険被保険者資格喪失届」とは、従業員が退職等で雇用保険の被保険者資格を失った際に、事業主が所轄の公共職業安定所へ提出しなければならない届です。
この際、従業員の雇用形態、退職理由などにかかわらず雇用保険の被保険者であれば、事業主が本届を提出する必要があります。
雇用保険被保険者資格喪失のタイミングとは
雇用保険の被保険者資格は、退職時意外にも以下のようなタイミングで喪失します。事業主は喪失の理由にかかわらず雇用保険被保険者資格喪失届を提出する必要がありますので、「退職ではないから大丈夫」と思わずに、この機会にしっかり確認しておきましょう。
- 週の所定労働時間が20時間未満となった時(臨時的・一時的な場合を除く)
- 従業員自身が死亡した時
- 従業員自身が取締役や役員となり労働者としての性格を喪失した時
- それまで従業員としての性格を有していた兼務役員から、従業員としての性格が喪失した時
- 他の事業所へ出向になった時(ただし、出向先ではなく出向元との雇用関係を維持している場合は除く)
- 当該事業所が任意加入事業所であった場合、雇用保険に加入している被保険者の4分の3以上の同意と、事業所所在地の都道府県労働局長の認可を得て、認可されていた資格を喪失する時
- 従業員が船員保険の被保険者となった時
特に取締役や役員に昇進したことによって従業員が労働者としての性格を喪失した場合や、週の所定労働時間が20時間未満になった時など、雇用保険の被保険者としての要件を満たさなくなったために資格を喪失する場合など、うっかりして届出を忘れることのないようにご注意ください。
提出についての詳細
≪提出先≫
所轄の公共安定所(実際に事業を行っている事業所の所在地を管轄するハローワーク)
≪提出期限≫
被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内
≪添付・確認書類≫
- 雇用保険被保険者離職証明書
原則として添付は必要ですが、離職者本人が離職票の発行を希望せず、かつ59歳未満の場合においては省略も可能です。ただし、離職者が59歳以上の場合は、本人が不要と言った場合でも省略することはできません。
- 出勤簿
- 労働者名簿
- 退職の事実を証明できる書類(退職辞令発令所等)
- 賃金台帳
- 退職理由を証明できる書類
こちらの書類は、離職者の退職理由によって必要な物が異なります。
参考までに、主な退職理由と、その際に添付が必要になる書類の一例は以下のようなものになります。
(1)離職者の自己都合による退職
→退職届、タイムカード、出勤簿、賃金台帳等
(2)雇用期限満了による退職
→労働契約書、雇入通知書、契約更新通知書
(3)定年による退職
→就業規則
(4)会社(事業所)の倒産による退職
→裁判所における倒産手続きの申立て受理を証明する書類
(5)解雇による退職
→解雇予告通知書、退職証明書、就業規則
(6)事業主側が募った希望退職による退職
→希望退職募集要項
(7)事業所の事情による労働者判断の退職(賃金の遅配、不当な賃金の低下等)
→労働契約書・就業規則・賃金規定
ただし、特殊な退職理由の場合には、当然ながら添付書類も変化することになりますので、添付の必要がある書類に迷った際には、社労士等の専門家や、公共職業安定所に直接問い合わせてみるのが良いでしょう。
≪提出者≫
事業主
雇用保険被保険者資格喪失届の提出はお早めに!
雇用保険被保険者資格喪失届の提出期限は、当該被保険者がその資格を喪失した日の翌日より10日以内と、はっきり定められています。
この期限を過ぎてしまった場合、届を受理されたとしても、離職者が失業等給付を受けられなくなってしまいますので、提出期限は必ず守るようにしましょう。
もしも事業主側が故意に届出をしなかったと判断された場合、あるいは虚偽の届出をした場合には、雇用保険法第83条に基づき、6か月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科せられます。
また、離職者から離職票の請求があるにもかかわらず、正当な理由なく交付を拒否した場合にも、事業主側は同様の罰則の対象となってしまいますので、ご注意ください。
とは言え、日々発生する業務をこなす中で、期限を守りながら雇用保険被保険者資格喪失届をはじめとした労務手続きをこなしていくのは大変なことです。
その場合には、人事・労務を思い切って専門家へ委託するという方法を検討してみてはいかがでしょうか?
クルーズ社会保険労務士・行政書士事務所では、「雇用保険被保険者資格喪失届」をはじめとした各種届出の手続きや申請の代行、給与計算などの人事労務業務に加え、助成金、認証関係に関するご相談やサポートなどを幅広く承っております。労務の専門知識を持ったスタッフが、しっかりとお話しを伺った上で迅速にご対応致しますので、どんな時でも安心してお任せください。
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(監修:社会保険労務士・尾形達也)