健康保険任意継続被保険者資格取得申出書について

健康保険任意継続被保険者資格取得申出書とは

健康保険任意継続被保険者資格取得申出書とは、被保険者が退職などによってそれまで加入していた健康保険の被保険者資格を喪失した際に、任意で今までと同じ健康保険に継続して加入するため、被保険者(被保険者資格喪失者)本人が提出する申出書のことです。

加入の要件

健康保険任意継続被保険者資格を取得するための要件は、以下の通りです。

  • 健康保険の強制被保険者または任意適用被保険者の資格を喪失していること。任意適用取消による資格喪失の場合は、任意継続被保険者資格は取得できません。
  • 被保険者資格喪失日の前日まで、継続して2カ月以上被保険者であったこと。
  • 被保険者資格を喪失してから、20日以内に申出書を提出すること。

※天災や交通通信関係のストライキを事由とした提出の遅れに限っては、20日を超えて提出した場合でも加入が認められることがあります。

提出についての詳細

<提出先>

本人の住所地の全国健康保険協会各支部(健康保険組合管掌の被保険者だった場合は、健康保険組合)

<提出期限>

強制被保険者資格を喪失してから20日以内

<提出書類>

【1】 申出書(健康保険任意継続被保険者資格取得申出書)

【2】 以下の該当する添付・確認書類

▼添付・確認書類▼
①本人確認書類貼付台紙(申出書にマイナンバーを記入した場合)
  1. 番号確認書類(マイナンバーカードの表裏面のコピー/マイナンバーの記載のある住民票/マイナンバーの記載のある住民票記載事項証明書)
  2. 身元確認書類(運転免許証のコピー/パスポートのコピー/その他官公署が発行する写真付き身分証明書のコピー)

上記2点を両方共用意し、当台紙に張り付けて添付してください。

②退職日が確認できる書類(任意)

・退職証明書の写し

・雇用保険被保険者証離職票の写し

・健康保険被保険者資格喪失届の写し

上記いずれか、またはそれに準ずる書類を添付すると、保険証の早期発行が可能となります。

書類の添付がある場合の発行期間目安:1週間程度

書類の添付がない場合の発行期間目安:2~3週間程度

③被扶養者となる方がいる場合の書類(被扶養者が日本国内に在住している場合)

 ≪被保険者と被扶養者が同居≫

・収入を証明する書類

・続柄を証明する書類(任意継続と同時に新たに被扶養者となる場合)

・同居していることを証明する書類(任意継続と同時に新たに被扶養者となる場合)

 ≪被保険者と被扶養者が別居≫

・収入を証明する書類

・仕送りの事実と仕送りの額を確認できる書類

・続柄を証明する書類(任意継続と同時に新たに被扶養者となる場合)

④被扶養者現況申立書(被扶養者が海外に在住し日本国内に住所を有していない場合)

海外に在住している家族を被扶養者にする際に提出が必要です。

また、被扶養者現況申立書を提出する際には、以下の書類も添付してください。

▼添付書類▼

  1. ・被保険者との続柄が確認できる公的書類
  2. ・公的機関または勤務先から発行された収入証明書
  3. ・仕送りの額を確認できる書類(金融機関で発行された振込依頼書または振込先通帳の写しなど)
  4. ・海外特例措置に該当していることが確認できる書類(査証、学生証、再額証明書、入学証明書、海外赴任辞令、海外の公的機関が発行する居住証明書等、ボランティア派遣期間の証明書、ボランティアの参加同意書等、出生や婚姻等を証明する公的書類等の写し、あるいは個別に判断される必要書類)

<申出書の入手方法>

申出書は、全国健康保険協会(協会けんぽ)のホームページでPDFを無料でダウンロードできるほか、全国のコンビニエンスストアに設置されているマルチコピー機のネットプリントサービスにて即時印刷も可能です。ご入用の場合は都合の良い方法で入手してください。

※コンビニエンスストアでは1枚毎に印刷料金がかかります。

<提出者>

被保険者本人

加入期間

任意継続被保険者でいられる期間は、原則2年間です。

ただし、以下に該当する場合は、2年を経過する前であっても任意継続保険者の資格を喪失します。

  1. 保険料を納付期限までに納付しなかった時
  2. 就職等によって健康保険、船員保険、共済組合等の被保険者資格を取得した時
  3. 任意継続被保険者でなくなることを希望した時
  4. 任意継続被保険者本人が亡くなった時
  5. 任意継続被保険者本人が後期高齢者医療制度の被保険者となった時

保険料

<保険料の算出>

任意継続被保険者の保険料は、退職時(強制被保険者の資格喪失時)の標準報酬月額に、在住する都道府県の保険料率(40歳以上65歳未満の方は介護保険料率が含まれます)を乗じた額となります。ただし、保険料には上限がありますので、退職時の標準報酬月額が30万円を超える場合は、30万円の標準報酬月額で保険料を算出します。

退職時に標準報酬月額が高額だった被保険者は、任意継続被保険者になると標準報酬月額が下がるため、結果的に保険料が安くなる場合があります。

ただし、先述した通り任意継続被保険者は保険料が全額自己負担であることに加え、傷病手当金と出産手当金の給付はありませんのでご注意ください。

<保険料の変更>

保険料は、以下の理由により変更となる場合があります。

  1. 被保険者が40歳になり、介護保険第2号被保険者に該当するようになった場合
  2. 被保険者が65歳になり、介護保険第2号被保険者に該当しなくなった場合
  3. 健康保険料率または介護保険料率が変更された場合
  4. 全国健康保険協会の標準報酬月額の平均額が変わり、保険料の上限が変更された場合
  5. 保険料率の異なる都道府県へ住所を変更した場合

<納付期限>

保険料の納付期限は、初回納付月を除いて、毎月10日です。口座振替による納付手続きを行っていない場合、毎月初めに全国健康保険協会より納付書が届きますので、当月分の保険料を当月の10日までに納付してください。

また、任意継続被保険者の保険料の納付は、強制被保険者とは異なり、前納することも可能です。前納する場合は、4~9月分と10~翌3月分のそれぞれ半年単位か、4月分からの1年単位かを選択できます。

前納することによって納付忘れを防ぐことができるほか、何度も納付をする手間も省け、さらに若干の割引もあります。

保険証について

任意継続被保険者資格取得申出書を提出して、保険証が送られてくるまでには、1~3週間程度の時間がかかります。(申出書に添付の書類の有無などにもよります)

しかしながら、手元に保険証が届いていない場合でも、任意継続被保険者の資格取得日は、退職日の翌日となります。つまり、その間も被保険者は健康保険給付の対象となりますので、医療機関にて保険適用価格での受診が可能です。

もし、手元に保険証がない関係で医療費を全額負担しなければならなかったとしても、保険証がお手元に届いた後に、改めて「医療費支給申請書」を全国健康保険協会へ提出すれば、保険負担分を支払ってもらうことができます。

期限切れに注意! 悩んでいる方は専門家にご相談ください!

健康保険任意継続被保険者の資格を取得するためには、強制被保険者資格を喪失してから20日以内に申出書の提出をする必要があります。健康保険任意継続被保険者資格取得申出書は被保険者本人が提出するものである上に、退職時にはその他にもやらなければならない手続きが多いため、うっかり期限を過ぎてしまうことのないようご注意ください。

制度の内容について疑問がある場合、または健康保険任意継続保険者になった場合の保険料のイメージができない、忙しくて申請の時間がない等の場合には、ぜひお早めに社会保険労務士等の専門家へご相談ください。

クルーズ社会保険労務士・行政書士事務所では、各種手続きや申請の代行などを承っております。退職に関する手続きなどもワンストップで対応しておりますほか、顧問社労士のご相談も随時受け付けておりますので、退職予定の従業員へのサポート等でお悩みの事業主様も、ぜひお気軽にご連絡ください。

ご相談はいつでも無料です!いつでもお電話ください。

クルーズ株式会社(クルーズ社会保険労務士・行政書士事務所)

電話番号:045-334-8240

(監修:社会保険労務士・尾形達也)